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日本の川の長さランキング

豆知識

川の左右

 川の流れの方向、すなわち下流を向いて右側が右岸、左側が左岸と決まっている。

河川と水系の違い

水系

 水系とは、同じ流域内にある河川(本川・支川・派川)及び関連する湖沼の総称のこと。ほとんどの水系は、「信濃川水系」「利根川水系」などのように本川と同じ名前が付けられているが、「渡川水系」(本流を渡川から四万十川に改名)などのような例外もある。

 川の長さと言えば、普通は水系の中で最も長い一本の水の流れの長さのことを指す。

  • 一級水系:水系の中でも、国土の保安上や国民の経済上、特に重要な水系。全国に109水系ある。
  • 二級水系:一級水系以外の水系で公共の利害に重要な関係があるもの。全国に2711水系ある。
  • 単独水系:一級水系、二級水系以外の水系。
河川

 河川は大きく一級河川・二級河川・準用河川・普通河川に分けられている。2019年4月末時点では、一級河川の数は1万4066本、二級河川は7083本、準用河川は1万4336本が指定されている。

 「川」と言えば一般的には一級河川・二級河川・準用河川のことを指すため、日本にある川の数は3万5485本ということになる。

  • 一級河川:一級水系に係る河川で国土交通大臣が指定したものと定義されており、特に重要な区間は国が、それ以外は都道府県又は政令指定都市に管理を委託している。
  • 二級河川:二級水系に係る河川で都道府県知事が指定したものと定義されており、管理は都道府県が行うが、一定の区間を指定して政令指定都市に対し河川管理を委任することができる。ちなみに沖縄の川は全て二級河川に指定されている。
  • 準用河川:一級河川及び二級河川以外の河川で市町村長が指定したものと定義されており、市町村が管理している。
  • 普通河川:一級河川、二級河川及び準用河川以外の河川と定義されており、他の河川と違って河川法は適用されない。市町村が条例などで河川範囲を指定し管理している。

幹川流路延長とは

 幹川流路延長とは、河口から水源(分水界上の点)までの流路を合計した長さのこと。一般的に川の長さというと、幹川流路延長のことを指す。

幹川流路延長とは

 例えば信濃川水系を例に挙げて見てみると、信濃川水系の長さとは、千曲川の源流点から日本海に注ぐまでの距離のことで、全長は367km。そのうち千曲川と呼ばれている部分が214㎞で信濃川と呼ばれている部分が153㎞になる。つまり、有名な「日本一長い信濃川」というのは、「信濃川水系の長さ」ということ。

日本の川の長さTOP20

順位整備局等水系名幹川流路延長[km]
1北陸信濃川367
2関東利根川322
3北海道石狩川268
4北海道天塩川256
5東北北上川249
6東北阿武隈川239
7東北最上川229
7中部木曽川229
9中部天竜川213
10北陸阿賀野川210
11中国渡川196
12中国江の川194
12四国吉野川194
14近畿新宮川183
15関東荒川173
16中部大井川168
17北海道十勝川156
18北海道釧路川154
19中国斐伊川153
20関東那珂川150
川の勾配

信濃川

 全長367km、北陸地方を流れる日本一長い川。長野県から新潟県の日本海に向かって流れている。上流の長野県側では千曲川と呼ばれており、「信濃川」と呼ばれている区間よりも「千曲川(ちくまがわ)」と呼ばれている区間のほうが長い。源流点は、奥秩父山地の甲武信岳(こぶしだけ)の標高およそ2150mにあり、「千曲川源流遊歩道」が整備されていて歩いていくことができる。源流点のすぐ脇には水源地標が立っている。

 水系全体の流域面積は1万1900km2で新潟県の面積と同じくらいで、利根川、石狩川に次いで日本第3位となっている。

甲武信岳

 標高2475m。埼玉県、山梨県、長野県の県境にある山。甲斐の国(現在の山梨県)・武蔵の国(現在の埼玉県)・信濃の国(現在の長野県)の頭文字を取ってこの名が付けられた。

利根川

 全長322km、関東地方を流れる日本で2番目に長い川。源流点は大水上山(おおみなかみやま)にあり、1954年に第3回利根川水源調査団が、利根川の水源は標高1831mの大水上山の三角形の雪渓であることを突き止めた。山頂から南南西約400メートル(群馬県利根郡みなかみ町)には水源碑が建っている。利根川は大水上山から南に向かって流れ、途中で東に向きを変えて群馬県・埼玉県境→茨城県・千葉県境を流れていき、最後は犬吠崎付近で太平洋に注がれている。

 水系全体の流域面積は1万6840km2で日本一広い(埼玉県の4倍ほど)。筑後川(筑紫次郎)・吉野川(四国三郎)とともに日本三大暴れ川の1つと言われ、「坂東太郎」という異名を持っている。

石狩川

 全長268km、北海道を流れる日本で3番目に長い川。源流点は大雪山系の石狩岳の西斜面(北海道上川郡上川町)にあり、この付近は石狩沢と呼ばれている。そこから川上盆地→石狩平野を経由して石狩湾に注がれている。北海道遺産に選定されている。ちなみに石狩岳は石狩川の水源があることからこの名が付けられた。

 水系全体の流域面積は1万4330km2で、利根川に次いで日本第2位となっている。

天塩川

 全長256km、北海道を流れる日本で4番目に長い川。源流点は北見山地の天塩岳西側(北海道士別市朝日町)にあり、そこから北上し、天塩平野で日本海に注がれている。北海道遺産に選定されている。ちなみに石狩岳は石狩川の水源があることからこの名が付けられた。

 水系全体の流域面積は5590km2。大きな支流が少なく、長さの割には狭くなっている。

北上川

 全長249km、東北地方を流れる日本で5番目に長い川。源流点は岩手県北部の弓弭の泉(ゆはずのいずみ)(岩手県岩手郡岩手町御堂第三地割9 正覚院)にあり、そこから南下、宮城県石巻市で追波湾(おっぱわん)に注がれている。

 水系全体の流域面積は1万150km2で日本第4位。

河床勾配

川の勾配

 川の流れる方向の川底の傾きを河床勾配(かしょうこうばい)という。河床勾配はたいてい分数で表し、例えば河床勾配=1/100なら、水平距離100メートルに対して高さが1メートル高くなるという意味になる。

 日本は国土のおよそ75%を山地が占めており、源流のある山から河口までの距離が短い。そのため日本の川はほとんどが急勾配河川になっている。

 ちなみにグラフの上流部でガタボコしてるのはダムがあるから。

地域別最も長い川

整備局等水系名幹川流路延長[km]
北海道石狩川268
東北北上川249
北陸信濃川367
関東利根川322
中部木曽川229
近畿新宮川183
中国江の川194
四国渡川196
沖縄浦内川18.8

木曽川水系

 全長229km、中部地方で一番、国内では7番目に長い川。長良川・揖斐川(いびがわ)と合わせて木曽三川(きそさんせん)と呼ばれている。木曽川水系は木曽川・長良川・揖斐川の3河川で構成されており、昔は下流部で分流や合流を繰り返していたが、今は改修工事によりほぼ分断されている。

 源流点はの鉢盛山南方(長野県木曽郡木祖村)にあり、そこから南西に向かって流れ、濃尾平野から伊勢湾に注がれている。

 流域面積は木曽川・長良川・揖斐川をすべて合わせると9100km2になる。

新宮川水系

 全長183km、近畿地方で一番、国内では14番目に長い川。かつて本川は新宮川と呼ばれていたが1998年に熊野川に改名された。ただし水系名は新宮川水系のままになっている。源流は大峰山系の山上ヶ岳・稲村ヶ岳・大普賢岳周辺にあり、そこから西に流れた後、十津川渓谷を南に流れて大台ケ原を水源とする北山川と合流して熊野灘に注いでいる。最上流の天川村、五條市内では天ノ川(てんのかわ)、そこから下った十津川村内では十津川と呼ばれている。

 流域面積は2360km2

江の川(ごうのかわ)水系

 全長194km、中国地方で一番、国内では12番目に長い川。上流の方では可愛川(えのかわ)と呼ばれることもある。源流点は阿佐山南東斜面(広島県山県郡北広島町)にあり、上流では瀬戸内海側を流れ、中国山地を横切って北流した後日本海に注がれている。中国地方最大の川という意味で「中国太郎」と呼ばれている。

 流域面積は3870km2

渡川水系

 全長196km、高知県西部を流れる四国地方で一番、国内では11番目に長い川。かつて本川は渡川と呼ばれていたが1994年に四万十川に改名された。ただし水系名は渡川水系のままになっている。源流点は不入山(いらずやま)(高知県高岡郡津野町)の東側にあり、そこから南に向かって流れ、窪川盆地を通った後に流れを西に、更にその後、四万十市西土佐で再び流れを南に変えてから最後は太平洋に注がれている。

 名水百選や日本の秘境100選、重要文化的景観などにも選ばれており、沈下橋なども全国的な知名度を持っている。また、本流に大規模なダムが無いことから、「日本最後の清流」と呼ばれることもある。柿田川・長良川とともに日本三大清流とも呼ばれている。

 流域面積は2186km2

浦内川水系

 全長18.8km、沖縄で一番長い川。西表島中央部を流れる二級河川で、源流点は桑木山付近にある。また流域は河口部を除き西表石垣国立公園の特別地域に含まれ、源流部は特別保護地区に指定されている。

都道府県別川の長さの合計

都道府県別川の長さ

 都道府県別の川の長さの合計です。一位は北海道で1万5453.7㎞、日本の川の長さの合計の約11%を占めている。2位は長野県で7034.3㎞、3位は福島県で5443.2㎞、以下、新潟県、岩手県、鹿児島県、静岡県、兵庫県、大分県、熊本県と続く。

 そして、一級河川、二級河川、準用河川の総延長は日本全体で、14万4013.4kmにもなる。(ちなみに赤道1周でおよそ4万km。)

おまけ

日高川

 全長127km、日本一長い二級河川。和歌山県と奈良県の県境にある護摩壇山西側(和歌山県田辺市)に源流点があり、紀伊水道に注がれている。

 流域面積は651.8km2

ぶつぶつ川

 全長13.5m、和歌山県東牟婁郡(ひがしむろぐん)那智勝浦町(なちかつうらちょう)を流れる日本一短い川。2008年に二級河川に指定されたことにより、日本一短い川となった(それまでは山形県最上郡真室川町(まむろがわまち)を流れる準用河川・東町塩野川(全長15m)が日本最短だった)。粉白川(このしろがわ)と合流し、玉ノ浦に注がれている。

 水源は湧き水で、川底から水が気泡を伴って「沸々」と湧き出る様子から、この名前が付いたとされる。

 一見ネタにしか見えないぶつぶつ川だが、和歌山県によると、

1.湧き水から粉白川の合流点まで13.5mで、地元では日本一短い川として地域に親しみを持たれていること。

2.日本一短い川として全国的にPRし、地域活性化を図るため。

3.地域の住民のうるおいのある水辺空間があり、飲み水としても利用されている。

4.地元で親しまれてきた河川環境を維持・保全するためには、粉白川と一体的に県で管理するのが望ましい。

という理由で二級河川に指定されたとのこと。

まとめ

  • 日本にある川の数は3万5485本!
  • 日本の川の長さTOP3(日本三大河川):1位:信濃川 2位:利根川 3位:石狩川
  • 日本の川の長さの合計は、14万4013.4km!
  • 日本一短い川はぶつぶつ川!

注釈

  • 国土交通省・国土地理院より

付録

一級河川の幹川流路延長

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整備局等水系名幹川流路延長[km]
北陸信濃川367
関東利根川322
北海道石狩川268
北海道天塩川256
東北北上川249
東北阿武隈川239
東北最上川229
中部木曽川229
中部天竜川213
北陸阿賀野川210
四国渡川196
中国江の川194
四国吉野川194
近畿新宮川183
関東荒川173
中部大井川168
北海道十勝川156
北海道釧路川154
中国斐伊川153
関東那珂川150
近畿由良川146
九州越後川143
東北馬淵川142
中国旭川142
関東多摩川138
九州川内川137
東北米代川136
近畿紀の川136
北海道鵡川135
東北雄物川133
中国吉井川133
関東富士川128
北海道尻別川126
四国那賀川125
関東久慈川124
四国仁淀川124
北海道常呂川120
北陸神通川120
中部矢作川118
近畿九頭竜川116
北海道網走川115
北陸庄川115
九州球磨川115
中国高梁川111
関東相模川109
九州大野川107
九州大淀川107
九州五ヶ瀬川106
北海道沙流川104
中国太田川103
四国肱川103
東北岩木川102
中部庄内川96
近畿加古川96
中部宮川91
東北鳴瀬川89
北海道湧別川87
中部櫛田川87
中国芦田川86
北陸黒部川85
北海道渚滑川84
中国高津川81
北海道後志利別川80
中部豊川77
中国日野川77
九州緑川76
近畿淀川75
九州小丸川75
九州白川74
北陸荒川73
北陸手取川72
四国物部川71
九州菊池川71
東北赤川70
近畿揖保川70
北陸小矢部川68
近畿大和川68
近畿円山川68
東北高瀬川64
北陸関川64
東北子吉川61
九州遠賀川61
九州矢部川61
北陸姫川60
中国小瀬川59
九州嘉瀬川57
北陸常願寺川56
中国佐波川56
九州山国川56
東北名取川55
中部出雲川55
九州大分川55
中国千代川52
中部安倍川51
九州松浦川47
九州六角川47
中部狩野川46
北海道留萌川44
関東鶴見川43
北陸梯川42
中部鈴鹿川38
九州番匠川38
四国重信川36
九州肝属川34
四国土器川33
中国天神川32
近畿北川30
中部菊川28
九州本明川28
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