これまでに作られた貨幣の枚数は全部で

豆知識

貨幣の「製造」と「発行」の違い

 造幣局は貨幣の「製造」を行い、政府(国)が貨幣を「発行」する。

 財務省において、貨幣の製造枚数が定められる。造幣局では、財務省で定められた製造枚数について、貨幣の製造を行う。

 造幣局で製造した貨幣は、造幣局内にある間は見た目は貨幣だが、まだ通貨ではなく、日本銀行に納められた時点で初めて貨幣が発行され、通貨となる。

 なお、紙幣については、貨幣と異なり、立行政法人国立印刷局が「製造」し、日本銀行が「発行」している。そして紙幣の場合は、市中の各金融機関が日本銀行に保有している当座預金を引き出し、紙幣を受け取った時点で発行されたことになる。

硬貨製造枚数の推移

貨幣の流通枚数と製造枚数
貨幣の流通枚数と製造枚数

 硬貨の製造枚数の推移。(すでに使えなくなった硬貨は除く)

 知らない人も多いらしいが、お金の製造枚数は年によって大きく変わっている。

 硬貨によっては1枚も製造されない年もあるし、逆に20億枚を超えたこともある。

 特に多かったのは1990年(平成2年)の1円玉で、27億6895万3000枚。消費税導入の影響で増えたらしい。

 2019年現在、これまでの製造枚数は1円玉が443億3000万枚、5円玉は153億3000万枚、10円玉は341億7000万枚、50円玉は57億2000万枚、100円玉は155億8000万枚、500円玉は96億5000万枚。全て合わせると1247億9000万枚にもなる。

硬貨の製造枚数の推移(1948年-2016年)
硬貨の製造枚数の推移(1948年-2016年)

一円硬貨

 現在の1円玉は1955年から作られ始めた。それまでは一円銀貨と一円黄銅貨が製造されていたが、現在はすでにお金として使えない。

 1960年代は高度経済成長真っ只中で、インフレと自動販売機の普及によって硬貨が慢性的に不足したため、1963年(昭和38年)から1966年(昭和41年)にかけて1円玉が大量生産された。

 しかし加減せずに作りすぎてしまったため、その直後の1968年(昭和43年)は製造休止。なので、1968年(昭和43年)製の一円硬貨は存在しない

 高度経済成長期が終わった後は需要も安定し、物価の上昇もあって1円玉の流通量は減少していた。しかし1989年(平成元年)の消費税導入により1円玉5円玉ともに流通量が激増、大量に製造されていた。その後1997年(平成9年)に消費税が3%から5%に引き上げられたことにより1円玉の需要が減少、それに伴って製造量も減らされていった。

 ちなみに1989年には24億8000万枚製造されているが、そのうち昭和64年銘は1億1600万枚だった。

 さらに2011年頃から電子マネーの普及が始まったことにより更に減少、2011年から2013年まで年間製造枚数100万枚以下(ミントセット向けのみ)となる。

 そして2014年、消費税率が8%に上がったことから需要増加が予想され製造枚数を増やしたものの、電子マネーが普及していたため製造枚数はあまり伸びず、2016年以降は再びミントセットのみの製造枚数100万枚以下となっている。

 一円硬貨のこれまでの製造枚数は443億3000万枚と一番多く作られている。

五円硬貨

 5円玉は1871年から製造されているが、1871年(明治4年)発行の旧五圓金貨と1897年(明治30年)発行の新五圓金貨は現在お金としては使えない。今でも使える5円玉は1948年(昭和23年)発行の穴無し5円玉からで、その穴無し5円玉は1948年と1949年の2年間だけ製造された。それ以降は穴の開いた5円玉となった。

 また、1949年には文字が楷書体で書かれている通称「フデ五」も製造された。書体の違いだけではなくフデ五の裏面は「日本国」が「日本國」になっている。フデ五は1958年(昭和33年)まで製造され、1959年以降は現在も製造されているゴシック体5円玉に変わった。筆五は現在もわずかにだが出回っているらしい。財布の中に入っているかも…?

 1円玉同様、電子マネーの普及により需要が下がってきており、2010年~2013年はミントセット用のみの製造となっている。また、1954年,1955年,1956年は製造されていない。

十円硬貨

 10円玉は1871年から製造されているが、1871年(明治4年)発行の旧十円金貨と1897年(明治30年)発行の新十円金貨、1950年(昭和25年)発行の十円洋銀貨は現在お金としては使えない。ちなみに十円洋銀貨は5円玉のように穴が開いている。

 1951年(昭和26年)現在の十円玉の製造が始まった。当時の十円玉は周囲がギザギザした、いわゆる「ギザ十」であり、このギザ十は1958年(昭和33年)まで製造された。1959年から現在までデザインの変更はない。

五十円硬貨

 50円玉は1955年(昭和30年)から製造されている。当時の50円玉はニッケルでできており、穴も開いてなかった。穴無し50円玉は1958年まで製造されたが、100円銀貨と見間違えるという理由で1959年からはニッケル製の穴有り50円玉に変わっている。

 現在の五十円白銅硬貨が作られ始めたのは1967年(昭和42年)からだが、昭和六十四年銘は製造されなかった。

 これまでの製造枚数は57億2000万枚で、全硬貨中一番少ない。2010年以降はミントセット用以外製造されなかったが、2014年以降は自動販売機などでの需要が高くなったため年間5000万枚程度が製造されている。

百円硬貨

 100円玉は1957年(昭和32年)から製造されている。最初の1958年まで製造され、100円玉は銀貨で鳳凰が描かれていた。1959年から製造された100円玉には稲穂が描かれていた。製造期間は1959年(昭和34年)~1966年(昭和41年)だが1962年(昭和37年)銘は製造されていない。この時代、工業分野での銀需要が伸びていき値上がりが起こったため日本も銀貨を離れ1967年に百円白銅硬貨へと移行した。50円玉と同様、昭和六十四年銘は存在しない。

 製造年が古い100円玉の損傷が激しくなったことにより、新品に切り替えるという目的もあって、2012年(平成24年)以降だけなら、6種類の通常硬貨の中で一番多く作られている。

五百円硬貨

 1982年(昭和57年)に五百円白銅貨が製造され始めたが、韓国500ウォンを悪用した偽装詐欺によって変更を余儀なくされた。2000年(平成12年)からはニッケル黄銅硬貨に変わり、2020年まで製造が予定されている。500円玉は製造が始まって以来、毎年1枚以上製造されている唯一の硬貨である。

珍しい年の硬貨

そもそも1枚も存在しない

  • 1円玉:1968年(昭和43年)
  • 5円玉:1954年(昭和29年)、1955年(昭和30年)、1956年(昭和31年)
  • 10円玉:1956年(昭和31年)
  • 50円玉:1989年(昭和64年)(平成元年は存在する)
  • 100円玉:1962年(昭和37年)、1989年(昭和64年)(平成元年は存在する)

ミントセットのみ

 ミントセットとはその年の銘が彫られたコレクター向け未使用貨幣セットで、造幣局が毎年限定販売している。ちなみにミントセットのミントは"Mint(造幣局)"のことで、食べ物のミントは関係ない、

  • 1円玉:2011年(平成23年)~2013年(平成25年)、2016年(平成28年)~2018年(平成30年)
  • 5円玉:2010年(平成22年)~2013年(平成25年)
  • 10円玉:2010年(平成22年)~2013年(平成25年)
  • 50円玉:1960年(昭和35年)、2010年(平成22年)~2013年(平成25年)

一般流通用にも作られたけどあまり数が多くない年(1000万枚未満)

  • 1円玉:2001年(平成13年)、2002年(平成14年)、2010年(平成22年)
  • 5円玉:2000年(平成12年)、2006年(平成18年)~2009年(平成21年)
  • 50円玉:1987年(昭和62年)、1986年(昭和61年)、2000年(平成12年)、2001年(平成13年)、2004年(平成16年)、2007年(平成19年)~2009年(平成21年)、2014年(平成26年)
  • 100円玉:2001年(平成13年)
  • 500円玉:1987年(昭和62年)

まとめ

  • 昭和43年銘の一円硬貨は存在しない!
  • 昭和29年,昭和30年,昭和31年銘の五円硬貨は存在しない!
  • 昭和31年銘の十円硬貨は存在しない!
  • 昭和64年銘の五十円硬貨は存在しない!
  • 昭和37年銘の百円硬貨は存在しない!
  • 昭和64年は短かったため50円玉と100円玉は存在しない!
  • 毎年製造されているのは500円玉だけ!
  • これまでに作られた貨幣の枚数は全部で約1248憶枚!金額にすると約7兆1342億5000万円!

付録

貨幣の製造枚数

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西暦1円玉(アルミニウム)5円玉10円玉50円玉100円玉500円玉合計
1948年07452万00007452万
1949年02億9158万800000002億9158万8000
1950年01億8182万400000001億8182万4000
1951年01億9798万1億106万80000002億9904万8000
1952年05500万4億8663万20000005億4163万2000
1953年04500万4億6630万0005億1130万
1954年005億2090万0005億2090万
1955年3億8170万01億2310万6370万005億6850万
1956年5億90万009130万005億9220万
1957年4億9200万1000万5000万3900万3000万06億2100万
1958年3億7490万5000万2500万1800万7000万05億3790万
1959年2億860万3300万6240万2390万1億1000万04億3790万
1960年3億3480万2億2590万600万5000万06億1670万
1961年4億3240万6100万2億2990万1600万1500万07億5430万
1962年5億7200万1億2670万2億8420万5030万0010億3320万
1963年7億8870万1億7180万4億1130万5500万4500万014億7180万
1964年16億6510万3億7970万4億7920万6920万1000万026億320万
1965年17億4325万60003億8420万3億8760万1億8930万6250万027億6685万6000
1966年8億734万40001億6310万3億9590万1億7150万9750万016億3534万4000
1967年2億2060万2600万1億5890万2億3840万4億3220万010億7610万
1968年01億1400万3億6360万2億4億7100万011億4860万
1969年1億8470万2億4000万4億1480万2億1090万3億2370万013億7410万
1970年5億5640万3億4000万3億8270万2億6980万2億3710万017億8600万
1971年9億495万3億6205万6億1005万8095万4億8105万024億3905万
1972年12億7495万5億6295万6億3495万1億3898万4億6895万030億8078万
1973年14億7000万7億4500万13億4500万2億97万6億8000万044億4097万
1974年17億5000万9億5000万17億8000万4億7000万6億6000万056億1000万
1975年16億5615万9億7000万12億8026万2億3812万4億3716万045億8169万
1976年9億2885万2億13億6974万2億4188万3億2284万030億6331万
1977年8億9500万3億4000万14億6700万1億7600万4億4000万033億1800万
1978年8億6400万3億1800万14億3500万2億3400万2億9200万031億4300万
1979年10億1500万3億1700万12億700万1億1000万3億8200万030億3100万
1980年11億4500万3億8500万11億2700万5100万5億8800万032億9600万
1981年12億600万9500万13億6900万1億7900万3億4800万031億9700万
1982年10億1700万4億5500万8億9000万3000万1億1000万3億28億200万
1983年10億8600万4億1000万8億7000万3000万5000万2億4000万26億8600万
1984年9億8185万2億285万5億3385万2985万4185万3億4285万21億3310万
1985年8億3715万1億5315万3億3515万1015万5815万9715万14億9090万
1986年4億1796万1億1396万6896万996万9996万4996万7億6076万
1987年9億5577万50006億3177万50001億6577万500077万50001億9377万5000277万500019億5065万
1988年12億6904万20003億9612万6億1811万20001億911万20003億6311万20001億4821万800029億371万6000
1989年24億8307万10億2799万20007億4100万002億889万400050億7495万6000
1990年27億6895万30005億2095万30007億5495万30002億7495万30004億4495万30001億5995万300049億2471万8000
1991年23億112万5億1712万6億3212万2億912万3億7512万1億7012万42億472万
1992年12億9913万3億113万5億3813万4913万2億1113万8813万24億8678万
1993年12億6124万4億1324万2億4924万5124万8224万1億3224万21億8944万
1994年10億4076万70001億9776万70001億9076万70006576万70008176万70001億577万200016億8260万7000
1995年10億4187万40003億5187万40002億4887万40001億1187万40009287万40001億8286万900020億3023万9000
1996年9億4221万30002億721万30005億4621万30008221万30002億3721万30009921万300021億1427万8000
1997年7億8308万60002億3908万60004億9108万60001億5008万60002億7208万60001億7309万21億852万
1998年4億5261万20001億7261万20004億1061万20001億61万20002億5261万20002億1460万800016億366万8000
1999年6712万6012万3億5912万5912万1億7912万1億6512万8億8972万
2000年1202万6000903万3億1502万6000702万60001億7202万60005億9596万900011億1110万3000
2001年802万40007802万50005億4202万4000802万4000802万40006億805万100012億5217万2000
2002年966万70001億4366万20004億5566万70001166万70001066万70005億466万100011億3599万1000
2003年1億1740万60001億240万60005億5140万60001040万60009840万60004億3840万500013億1843万5000
2004年5290万30007090万30005億9290万3000990万30002億490万30003億5690万300012億8841万8000
2005年3002万90001602万90005億402万90001002万90003億2万90003億4503万12億517万5000
2006年1億2959万4000959万40004億4059万40001059万40002億1659万40003億8159万300011億8856万3000
2007年2億2390万4000990万40003億8890万4000990万40001億2990万40004億990万300011億7242万3000
2008年1億3481万1000981万10003億6281万1000881万10009381万10004億3281万100010億4286万6000
2009年4800万3000400万30003億3800万3000500万30001億1500万30003億4300万30008億5301万8000
2010年790万500051万3億2890万500051万6790万50004億690万50008億1264万
2011年45万600045万60002億5593万600045万60001億7893万60003億193万60007億3817万6000
2012年65万900065万90002億7921万100065万90004億221万10002億6721万10009億5061万
2013年55万400055万40001億89万200055万40006億889万20001億3789万20008億4933万8000
2014年1億2401万30008753万80001億7101万3000753万80004億4501万30001億6701万300010億212万8000
2015年8200万40001億500万40002億300万40004700万40004億1000万40001億4300万40009億9002万4000
2016年57万40003506万40001億9806万40004606万40004億6106万40002億2106万40009億6189万4000
2017年47万70003392万70001億2492万70002092万70005億1892万70004億2632万700011億2551万2000
2018年44万1796万1億7896万5696万5億6796万2億8619万200011億847万2000
合計443億2791万1000153億3221万3000341億7064万100057億2420万1000155億7924万100096億5483万50001247億8904万2000

参考