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世の中に出回っているお金の総額は…

紙幣

 2019年現在、世の中に出回っている千円札から1万円札の合計枚数はだいたい150億枚。そのうち1万円札が100億枚、1000円札が40億枚と少しで、この2種類がほとんどを占めている。

 まぁ日常生活だと大金扱うときは万札だし、普段財布に入れておくのは千円札だし、こんなもんかなって気はする。

紙幣の流通枚数
紙幣の流通枚数

 日本銀行の質問コーナーには、

2018年(平成30年)の大晦日、一般家庭や企業、金融機関などで年越しした銀行券(お札)の残高は、合計で110.4兆円(枚数では169.8億枚)でした。これを積み重ねると、約1,698km(富士山の約450倍の高さ)に達します。また、横に並べた場合には、約264万km(地球の約66周分、月までの距離の約7倍に相当)となります。

と書かれている。千円札から1万円札の流通枚数を足し合わせても数が合わないので、残りの20億枚はそれ以外の紙幣の分なんだろう。

 ちなみにこれまでに発行された日本の紙幣は五銭札・十銭札・一円札・十円札・二十円札・五十円札・百円札・二百円札・五百円札・千円札・二千円札・五千円札・一万円札の14種類で、五銭札と十銭札以外は今でも有効。

 この他にも政府紙幣というものがあり、十銭札・二十銭札・五十銭札があった。

出回っている紙幣の合計金額
出回っている紙幣の合計金額

 世の中に出回っている紙幣の合計金額のことを、専門用語では「日本銀行券発行高」と言うらしい。現在の日本銀行券発行高は110兆円と少し。そのうち1万円札が100兆円。当たり前だがもともと流通枚数が多い1万円札が9割を占めている。

 お金はだいたい一万円。あんまり実感沸かないけどね…

出回っている紙幣の合計金額
出回っている紙幣の合計金額

 1万円札意外だとだいたいこんな感じ。2019年11月時点で五百円札が2億20万枚なのに対し、二千円札は9780万枚と、枚数ではすでに五百円札の半数程度という散々な状況。

1万円札

 1984年までは聖徳太子、それ以降は福沢諭吉が描かれている。2024年から新しいデザインに変更される予定で、渋沢栄一が描かれることになっている。福沢諭吉になって長いが、2004年に一度絵柄が大きく変わっていることを覚えている人は意外と少ない。

 現在刷られている1万円札は表面に福沢諭吉(56歳の時の写真らしい)、裏面の左側に平等院の鳳凰像、右下には唐草文様の一種・宝相華(ほうそうげ)という想像上の花が描かれている。その前の1万円札は表面に福沢諭吉、裏面には雉が2羽描かれていた。

現在使われている1万円札
現在使われている1万円札-造幣局から

2004年まで刷られていた1万円札
2004年まで刷られていた1万円札-造幣局から

二千円札

 西暦2000年と沖縄サミットを記念して作られることになったお札。表面には沖縄県の首里城にある指定有形文化財・守礼門が、裏面には「源氏物語絵巻」第38帖「鈴虫」の絵図に詞書(ことばがき)を重ねた図柄と作者である紫式部などが描かれている。2004年度以降は印刷されていない。

 頑張って利便性をアピールしたがほとんど普及せずに消えていった可哀そうな子。嘘かホントか沖縄ではそれなりに使われているらしい。

二千円札
二千円札-造幣局から

硬貨

 2019年11月時点で硬貨の流通枚数はおよそ880億枚、金額にすると約4兆円。金額では額面の大きい500円玉と100円玉が大半を占めているが、枚数が最も多いのは1円玉で375億枚、次いで10円玉が194億枚になっている。

 1円玉は、1989年(平成元年)時に需要が見込まれて大量生産された。また、2014年(平成26年)に消費税が5%から8%上がった時も同様に需要が高まると予想し、2億枚製造されたが、電子マネーが普及していたためあまり伸びなかった。

硬貨の流通枚数
硬貨の流通枚数

世間に出回っている硬貨の合計金額
世間に出回っている硬貨の合計金額

1円アルミニウム貨幣

 重さ1g、直径20mm。アルミニウム100%でできており、現在日本で発行されている中で唯一、銅を含んでいない。

 1955年(昭和30年)に製造が始まり、現在製造されている貨幣の中で最も古い。1円玉のデザインは一般公募から選ばれたもので、表面には「若木」が描かれており、この若木には伸びゆく日本という意味が込められている。

 1円玉を一つ作るのに3円かかる。

 2019年現在、電子マネーなどによって需要が下がっているため一般流通用には製造されていない。

5円黄銅(おうどう)貨幣

 重さ3.75g、直径22mm、穴の直径は5mm。黄銅でできている。ちなみに黄銅とは銅と亜鉛の合金のことで真鍮と呼ばれることもある。5円玉は銅の割合が60-70%、亜鉛が40-30%でできている。

 穴ありの5円玉は1949年(昭和24年)に製造が始まった。デザインは今と同じものだったが、当時は「日本國」と書かれていた。その後昭和34年からは「日本国」に変わったが、現在でも数千枚に1枚は「國」表記の5円玉が出回っている。

 「五円」と書かれている方が表で、表側は発行当時の日本の産業を表現したデザインになっており、稲穂は農業、水は水産業、歯車は工業を表している。(穴の周りのギザギザが歯車)

 また、裏面に描かれている2つの双葉は、第二次世界大戦が終了して新しい民主国家となった日本を象徴しているとのこと。

10円青銅貨幣

 重さ4.5g、直径23.5㎜。青銅でできている。青銅とは、銅を主成分とした(スズ)を含む合金のことで、10円玉は銅95%、亜鉛4-3%、錫1-2%でできている。

 表面には平等院鳳凰堂と唐草、裏面には常盤木が描かれている。1951年(昭和26年)から製造が始まった。当時は硬貨の周りがギザギザしており、通称「ギザ十」と呼ばれる。ちなみに溝の数は132本。ギザ十は1958年(昭和33年)まで製造されたが、それ以降はギザ無しになっている。

50円白銅貨幣

 重さ4.0g、直径21.0㎜。白銅でできている。白銅とは、銅を主成分としたニッケルを含む合金のことで、50円玉は銅75%、ニッケル25%でできている。

 現在の50円硬貨は1967年(昭和42年)に製造開始され、表面には菊が描かれている。

 最初の50円玉は1955年(昭和30年)に製造され、直径25㎜と今よりも大きく、ニッケル100%でできており穴は開いていなかった。デザインは公募から選ばれ、表面には菊、裏面には分銅が描かれていた。その後、100円玉が作られたときに、色や大きさが似ていて分かりにくいからという理由で新しく穴が開いたデザインに変わった。何度かデザインが変更されてきた50円玉だが、その表面には、最初の50円玉から変わることなく菊が描かれ続けている。

 ちなみに昭和64年は短かったこともあり50円玉は1枚も製造されなかった。

穴無し50円玉
穴無し50円玉-造幣局から

100円白銅貨幣

 重さ4.8g、直径22.6㎜。白銅でできている。白銅とは、銅を主成分としたニッケルを含む合金のことで、50円玉と同じく銅75%、ニッケル25%でできている。

 現在の100円玉は1967年(昭和42年)に製造開始した。表面には桜が描かれている。

 100円硬貨の製造は1957年(昭和32年)から始まり、銀を主成分とした100円銀硬貨だったが、銀の価格が上がったことなどを理由に1962年に100円白銅硬貨に変更された。100円硬貨の表面は、最初の100円玉には「鳳凰」が、次は「稲穂」が、そして現在製造されている100円硬貨には「桜」がと変わってきている。

 50円玉と同じく、昭和64年は短かったこともあり100円玉は1枚も製造されなかった。

500円ニッケル黄銅貨幣

 重さ7.0g、直径26.5㎜。ニッケル黄銅でできている。ニッケル黄銅とは、銅と亜鉛とニッケルから構成される合金で、「洋白」「洋銀」などとも呼ばれることがあるが銀は含まれていない。500円硬貨は銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%で構成されている。周囲に181本のギザギザがある。

 現在の500円玉は2000年(平成12年)製造開始で日本で製造されている硬貨の中では最も新しく、唯一、平成時代に新しく生まれた硬貨である。(記念硬貨は除く)

 500円玉が最初に登場したのは1982年(昭和57年)のこと。初代500円玉は銅75%、ニッケル25%の白銅貨で、表面には(きり)、裏面には上下に竹、左右には(たちばな)が描かれていた。

 当時の貨幣は100円玉が最高額だったが、自動販売機が普及し、そこで売られる品物の値段も高くなってきたことなどを理由に500円硬貨が作られることとなった。しかしその後の2000年(平成12年)、偽造通貨対策として新しく現在の黄銅貨幣に更新することとなった。

韓国ウォンを悪用した詐欺

 旧500円玉が作られ始めたのと同じ年、500ウォン硬貨も始まった。当時のレートでは500ウォン=170円程度であったため、反日活動の一環として、詐欺を行うためにわざと500円硬貨にそっくりにしたのでは?という噂が飛び交っていた。またコミックマーケットなどでも500ウォン詐欺にあったという報告が頻繁に上がってくる時期もあった。

まとめ

  • 世の中に出回っている紙幣の合計金額は110兆円!
  • 世の中に出回っている紙幣の合計枚数は170億枚!
  • 世の中に出回っている硬貨の合計金額は4兆円!
  • 世の中に出回っている硬貨の合計枚数は880億枚!

参考

ツール集